紙をちぎることで電子情報を手渡すシステムの試作


スマートフォンをはじめとする電子端末の普及により画像や動画などの電子情報の受け渡しは,今や日常的に行われていることである.メールやSNSアプリケーションを利用して電子情報を受け渡すためには,送信者は受信者の連絡先を知っている必要があるが,受け渡し相手が初見の相手や,その場限りの相手であると連絡先を交換することに抵抗を感じる人は多いと思われる.この問題を解決するために,本研究は,紙をちぎって手渡すことで電子情報の受け渡しを可能にするモデルを考案した.これにより,ユーザはどこにでもある紙で連絡先を交換せずに電子情報の受け渡しができるようになる.このモデルを実現するための具体的な手段として,文字が印刷された紙 (例:レシート) を利用する.電子情報の受け渡しを行うとき,送信者は紙をちぎり,受信者に手渡す.このときに送信者が持つ紙片をps,受信者が持つ紙片をprとする.送信者はpsをカメラで写すことで, psの破れ目の特徴と電子情報を関連付ける.受信者はprをカメラで写すことで, prの破れ目の特徴,すなわち, psの破れ目の特徴に合致する電子情報にアクセスできる.この方式により,ユーザは連絡先を交換することなく電子情報の受け渡しが可能となる.本研究では,クライアントをwebアプリケーションとするサーバ・クライアント型システムの提案をすることで専用のアプリケーションを利用することなく実装を行う.プロトタイプシステムを用いた基礎検証では73%の精度で対となる紙片同士のマッチングを行うことができた.また,情報を渡す手段としての一定の受容性も確認できた.

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