健常者をセンサノードとしたバリア検出における個人内差・環境の影響調査


現在,屋内外には段差などのバリアが多数存在し,障害者や高齢者の円滑な移動を妨げ,彼らに外出への不安を感じさせている.もし,バリア位置を事前に把握できれば彼らは移動しやすくなるが,既存のバリア検出手法は網羅性と精度がトレードオフの関係にある.この問題を解決するために,健常者がバリアがある場所を歩行した際の加速度データを機械学習することで,屋内外に広く存在するバリアの場所を明らかにする方法が考えられる.この方法を用いると,広範囲のバリア情報を高精度に収集できる可能性がある.しかし,同じ人が同じ場所を同じように歩行する場合においても,歩行で生じる加速度には歩くたびに違い(個人内差)が生じることに加え,屋内と屋外ではバリアの形状・素材や通過する人の挙動が異なる,これらを従来研究は考慮しておらず,このことがバリア推定精度に悪影響を与えている可能性がある.この個人内差の影響と屋内と屋外をバリアの形状・素材や通過する人の挙動を無視して機械学習を行ってしまうと,適切なバリア検出モデルが構築できない可能性がある.そこで, 以下の2つを明らかにした.1つ目は,健常者の歩行時加速度からバリア検出を行うタスクにおいて,個人内差が与える影響を明らかにした.2つ目は,機械学習において,人手で設計した特徴量とDeep Learningで設計した特徴量を両方利用した.検証実験により,人手で設計した特徴量を用いた場合,屋内外を区別することでバリア検出精度が有意に向上することを明らかにした.

担当者:王統順・荒木伊織

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